「ひ〜、お嫁に行けない〜」
いくら下に水着を付けているとはいえ、ワンピースの裾をたくしあげて、バイクの後ろに馬乗りになっているのだ。これも、運賃を値切った罰なのか...
ホアヒン・ビーチでは馬が歩いている。
別に馬にうらみがあるわけではないが、馬とはビーチで一緒に過ごしたくない。そんな私が、御近所とかいうスワソンビーチへ行く気になったのは、当然の成りゆきであった。ホアヒンから30分くらい。軍槙ョnらしきものの奥に、そのビーチは合った。お食魔ヌころ、みやげ物、設備の整ったタイョトイレ。ビーチへ出れば、おやじが20THBでチェアを貸してくれる。うき輪は50THB。
スワソンの海は、細かい白い砂で敷き詰められている。波打ち際には貝が打ち上げられ、浅瀬ではちいさな魚が泳いでいる。青い空、白い波...絵に描いたようなビーチに、荷物を置くと即様、海の中に飛び込んだ。
「さ、寒い〜」
白い波...ということは、それだけ波が荒く、風が強いということ。あれだけの陽気にもかかわらず、海の中は冷たかった。しばらく頑張ってみたが、たえられなくてすぐ海から上がる。すぐさま、風が私の肌を切り裂く。冷たいを通り越して痛い。観念して、ひなたぼっこに専念することにした。
閹を書いたり、おやじのちょっかいをあしらったり、うとうとしたり.....
が、bくするとすぐ、ビーチチェアをキープしているところが日陰になる。その度に、日なたまで移動しなければ行けない。パレオを体に巻き付け、ずるずる椅子を引き摺る。気分はリゾートのつもりだったが、体感温度はすでにモスクワだ。
「もう、たえられない...」
荷造りを始めると、タイ人お兄さんが「バイク?」と寄ってくる。行きよりも値段が安かったので、お願いして、彼のバイクに目をやる。嫌な予感。
バイクはこてこてのおニューで、金がかかってそうなものであった。もちろん、その持ち主も、飛ばし屋。行きよりも15分も早くホテルに着いたのは有り難いが、リゾート気分はすっかり吹っ飛んでいた。
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