CX701のエコノミー席は、見なれない乗客で埋まっていた。
通路向こうの斜め前の金ぴかのはげおやじ、ホめ後ろは虚繿フ質風の気繧ネおやじ。不安げに、タイ語会話集を見ながらぶつぶつ唱えている。
「おやじの一人旅が流行っているのかっ!・・・」
慢濘を感じて、本から目を放した。
「・・・タイは年に3回は行っていますね」
「・・・高校の教師なんです。今回は山岳地域へ行こうと・・・」
「・・・ええ、明日の飛行機で北へ向かいます・・・」
隣の若い男生と話している初老の男。彼とは何故か2日後に、WTC行きのバス停で再会することになる。おいおい、おっさん、R岳地帯はどうしたの?
バンコクを歩けば、この手のおやじに絶対ぶつかる。彼等こそ、われらが同胞「シャパニーズ・エロおやじ」なのである。
バンコクに滞在すると、パッポンの近所のマッサージ屋に行く。大体夜になるのだが、必ず両替機で万Dをタイバーツに換えている、日本おやじにどっとぶつかる。パッポン、タニヤは大盛況。特に年末ということで、休暇を利用して遊びに来ているらしい。奥さんとか家族はほったらかしなんだろうか?それとも、独身なのか。タイの女の子にはまってしまったのか・・・。
いろいろな地域を旅行してきたけれど、この手の雰囲気にぶつかるのは、バンコクが初めてである。3回訪れたが、未だなれない。バンコクに滞在する度に、「男の為の歓楽街」であることを痛感する。
「アイ・ウォント・ゴオ・スクンビット!!」
野球帽をかぶった乱れ髪のおやじが絶叫した。どう見ても日本人にしか見えない。夜のホテルの帰り道、マンブーン・クロン行きのバスでのできごとである。バスが違うと分かると、血相を変えて降りて行った。ソイ・ナナにでも、行くのであろうか。だったら、タクシーで行けよ。
рヘ隣のタイ女性に苦笑いするして肩ゆ゙垂゚た。
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